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福岡・天神から東京・新宿を結ぶ深夜バス「はかた号」。
日本最長距離(約1,150km)最長の運行時間(約15時間)を誇り、まさにキング・オブ・深夜バスと呼ぶにふさわしい。
水曜どうでしょうで見たことがある方もいるかもしれません。そう、大泉さんやミスターが毎回悶絶しているアレです。
が、その頃とは多少様子が違うらしい。
福岡〜東京の移動は価格・所要時間を考えてもやっぱり飛行機だろう、とは思うわけですが、
近年はかた号がリニューアルされ「プレミアムシート」なるものが搭載されたとのこと。これは興味深い……!
先日東京へ行く機会があったので、福岡からの移動にはかた号プレミアムシートを利用してみることにしました!
料金は4区分、プレミアムは17,000〜20,000円
はかた号に乗車したい場合は、以下のサイトもしくは電話にて予約しておきましょう。
福岡・北九州 〜 東京(新宿)線 夜行高速バス(はかた号)|バス情報|西鉄(にしてつ)くらしネット|バス・電車時刻表やおすすめ情報
時期によってA〜D運賃までの区分があり、プレミアムは20,000〜17,000円となっています。私はD運賃の日に乗車しました。
ちなみに、通常の3列シートであるビジネスは15,000〜12,000円、かつWeb早割を使えば45日前までなら4,500円、30日前までなら3,000円割引されます。
ずいぶん前であれば安いと言える価格かもしれませんが、今やスカイマークなら福岡〜羽田を1万円程度から、LCCは福岡〜成田で1万円を大きく切る値段となっているので、はかた号はほとんどの場合それよりも高いということになりますね。
(飛行機の価格が大きく上がるGWやお盆、年末年始といった繁忙期であれば逆転するかも)
福岡・天神バスセンターからスタート。博多駅からも出発可
福岡では天神バスセンター、博多駅バスターミナルの2ヶ所から乗車できるのですが、今回は前者からスタートします。
最近改装されたばかりのバスセンター、かなり綺麗。
スタバや、お土産も売っているローソンなんかもあります。
2015/12/8(火)19:10、天神バスセンター発。
ピカピカの新型車両に乗り込みます。
窓から見えてるのがプレミアムシートか!
バスの前方がプレミアムシート4席、後方が独立3列シート(最後部の女性専用席のみ4列)のビジネスシートとなっています。
ここが、約15時間過ごす私の席です!周囲を壁に囲まれたブースのよう。
はかた号プレミアムシートの設備
とりあえず座ってみる。見にくいですが足が思い切り伸ばせる程度にはスペースがあります。
座面や背中は柔らかく快適で、長く座っても痛くなりにくそう。
フックが2ヶ所に、ハンガーが1つ。
サイドには備品入りのポケット、上から照らすスポットライト、
それにシートや部屋のライトを調整できる操作部。
シートのリクライニング、およびオットマンの角度が調整できます。マッサージ機能つき!
ちなみに、フルでリクライニングすると以下のような感じです。
(真横から見て検証したかったのですが、角度的にこのアングルでしか撮影できなかった。。。)
最大角度は150度とのこと。フルフラットとはいきませんが、ゆったりするには十分。
ただ、ここで寝るとなると快眠できるかは人によるという感じでしょうか。
右前方に、あやしい光を放つ空気清浄機と小さなゴミ箱。
右肘掛けのところには、コンセントとUSB充電ポート、ドリンクホルダーが。
左の肘掛けにも、もう1つコンセント。充電で困ることはなさそうです。
シートの前ポケットには、備え付けのiPad mini 3と操作説明書。
インターネット等を利用することができます。
ちなみにバージョンはiOS8.4でした。端末を管理してる人いるのかなあ?とちょっと心配になってみたり。
Lightning充電ケーブルも備え付けてあるので、iPhone・iPadユーザーは充電器忘れても安心。
右の肘掛けをパカっと開けると、小さめのテーブルが出てきます。一部の飛行機なんかに付いてたりするやつですね。
横のポケットに入っていた備品。スリッパに、
蒸気でアイマスク、ビオレさらさらパウダーシートも。さすがにシャワー浴びる時間はありませんからね。
カーテンが閉まる半個室なので、女性でも多少体を拭く程度ならできるかも。
(スペースが狭いのでやりにくいですが)
期待していたインターネット。一応つながるのですが、メールアドレス登録など手続きが面倒な上に30分ごとに切れて、おまけに1日3回までしか使えないという。。。こちらは大きく期待はずれ。
休憩を挟みつつ、一路東京・新宿へ向かう
発車して間もなく、乗務員さんが席のチェック(?)も兼ねて「何かお困りのことがあれば言ってください」とペットボトルの水をくれました。
乗務員(運転手)さんは2人交代制で、どちらも感じの良い信頼の置けそうな方でした。高速バスの事故で勤務体制が一時問題になりましたが、その点でははかた号は安心できそう。
テーブルの穴は紙コップ用らしく、ペットボトルはさすがに入りませんでした。この穴は飛行機用なのかな?
(もっとも、底面が入ってしまったらそのまま落ちるでしょうけども)
最初の休憩は、山口県の佐波川サービスエリア。
降りるときにビジネスシート側も撮ってみました。
こちらはプレミアムシート。
休憩時間は20分程度なので、ご飯を食べるにはちょっと短め。トイレに行って必要なものを買うくらいの時間ですね。
ずらりと並ぶトラックと、はかた号。
吉野家があったので、晩飯に吉野家の持ち帰りを買っておきました。
バス車内で食べるのも乙なものよ。
仕切られているので周りを気にしなくて済むのはいいですね。
そこからは消灯となり(室内の電気や読書灯は自由)、ひたすら夜の高速道路を走ります。
元々睡眠サイクルが乱れていたことと(自己責任)、それに窓側からの冷気がかなりひんやりしていたこと(寒いというほどではないが足元が若干冷たい)、あとはフルフラットでなかったり寝付きがあまり良くないタイプであることもあり、熟睡とまではいかず。
12月の夜〜早朝ともなると外はかなり冷え込んでおり、この水滴っぷり。
漫喫や長時間の飛行機でも十分睡眠が取れるような人であれば、ぐっすりと寝られるのかも。
私は数時間の居眠り程度という感じでした。あとはブログ書いたりモンハンやってた。
朝、車内アナウンスが流れて止まったのは静岡サービスエリア。寒いー。
朝のはかた号。
東京に着いてから風呂に入りたい方は、乗務員さんに言えば新宿のサウナ「グリーンプラザ新宿(女性はリ・ラックスパシンジュク)」の割引券をくれますよ。
途中で多少渋滞にハマり、新宿駅前に着いたのは予定より50分ほど遅れた10:15頃。おつかれさまでしたー。
風呂で身を清めてから、東京での目的地へ!
はかた号のココを直してほしい!個人的要望
はかた号プレミアムシートに乗ってみて快適な部分もあったのですが、「ココをもっとこうしたらいいのに!!」という個人的な改善要望が結構たくさん出てきたので、ここで挙げてみたいと思います。
プレミアムを名乗るのであれば、以下の5点はぜひ直してほしい!
① もっと大きいテーブルがほしい
シートはおそらく既成品を設置したのだと思いますが、テーブルが小さすぎるんですよね。
座った状態で見ると、以下のような感じ。
飲み物やお菓子、携帯などのちょっとした物を置く程度になら使えそうですが、読書したりパソコンを使おうと思うとちょっと厳しいです。
せっかくの長い移動時間には色々やりたいので、もう少し大きめのデスクがほしいなあ。
② 「Wi-Fi使えます」と謳うなら、変な制限かけるのはやめて
プレミアムシートではWi-Fiが使えると記載があったものの、実際にやってみると前述の通りで、30分ごとしか使えない上に1日3回までの制限あり。
これで「Wi-Fi使えます」と謳うのはいかがなものか。
私のようにネットを多めに使う仕事だともうアウトですし、「あ、あれ何だったっけ」が30分ごとに3回あるともうそれ以上は使えないなんて、正直あり得ないよなあと。
個人的に一番のがっかりポイントでした。
③ 荷物を掛けるスペースを別のところにしたい
フックが2つあり上着やバッグなどを掛けられるようになっているのですが、前方フックの下部にちょうどボタン類があるため、少し大きいものを掛けるとそこと被ってしまうのです。
ちょっと暗めですが、わかりますかね?バッグがボタンと被りまくってるのが。
前方を見ると、どことも被らずに空いているスペースがあったので、可能ならこっちにフック付けた方がいいんじゃないかな?と思いました。
④ 冬の早朝は足元をもう少し暖めたい
真冬、夜間〜早朝に高速道路を走っていると、窓から少しずつ伝わってくる冷気がかなりひんやりとしています。
冷たい空気は重いので低い方に溜まり、足元を冷やします。
冬は足元への暖房、ルームシューズなどといった底冷えしない工夫があると嬉しいなと。
⑤ スリッパのサイズ
スリッパは、25.5〜26cmの私の足でギリギリピッタリくらいでした。
これ、ちょっと大柄な方だったらかなり厳しいと思います。
(予約時に足のサイズなど書くところはなかったので、全員共通のものが備え付けられている前提で話してます)
前述の通り冬は足元も寒いですし、大きめのルームシューズみたいなのにしたらどうかなと。
あとがき
極端な繁忙期を除いては飛行機より高価な上、約15時間もかかり熟睡も難しいとなれば、一部の物好き向けかな……というのが正直なところ。
飛行機嫌いやバス好きであれば、一度乗ってみるのはいいと思います。
普通の深夜バスに比べればずっと快適なのは間違いないし、乗務員さんはすごくいい感じでしたよ。
おすすめとまでは言えませんが、思い出に残る旅に、話のネタに、乗ってみるのも面白いかもしれません。