「因幡うどん」博多らしいやわ麺と風味豊かなダシ、かしわにぎりと一緒に食べて幸せ。

博多のうどんと言えば、柔らかくてコシのない麺とダシの効いたスープが特徴。
麺のコシと自己主張が強い讃岐うどんとはまた違ったおいしさで、個人的には大好きな食べ物の1つです。

福岡出身のタモリも「麺にコシはいらん！」と言っているとかいないとか。


福岡でもそれなりにコシのある麺のうどん屋さんが増えてきている昨今ですが、そんな中でも昔ながらの博多らしいうどんを提供してくれる店の1つが「因幡うどん」。

福岡市内に4店舗を展開している地元民にとても人気のあるお店で、柔らかくてふわっとした麺としっかりと効いたダシは何度来ても食べ飽きない美味さ。
ダシでしみしみになるごぼ天、かしわにぎりもぜひうどんと一緒にどうぞ！

歴史ある博多うどんの老舗「因幡うどん」

因幡うどんは市内に4店（ソラリアステージ店、博多駅店、博多デイトス店、渡辺通店）ありますが、その中でも一番昔ながらのうどん屋さんの風情を残す渡辺通店にやって来ました。

この看板、店構え、提灯、いいでしょう。実際いいんですよ。

創業64年の歴史ある店でもあります。

このときはお昼時を避けて休日の14時頃。それでも家族連れでうどんをすすっているお客さんたちがちらほら。

博多うどんといえばポピュラーな乗せ物はなんといってもごぼ天。
さらに贅沢トッピングの肉を加えた「肉ごぼ天うどん」が私のジャスティス。
もちろん、かしわにぎりも合わせて注文します。

やわくてふわふわの麺、甘辛い肉、風味豊かなダシとそれが染みたごぼ天の多段攻撃

作り置いてあるかしわにぎりが先に登場。
うどんが来る前に食べるのか、来てから一緒にいただくのかは流派に合わせてどうぞ。
（私は一口だけ食べてうどんを待つ派）

なお、多くのうどん店でかしわおにぎりは2個1セットになっていますが、大抵は1個ずつでも注文できますよ。


年季の入ったお盆に乗って、堂々たる肉ごぼ天うどんが目の前に。もちろんねぎ多めは事前に伝えてありますとも。

ここのごぼ天は、作り置きで円形をした特徴的なもの。
例えば「大地のうどん」や「和助」のような揚げたてサクサクで大きなごぼ天に比べると物足りない向きもあるでしょうが、これはこれでイイんです。（後述）

肉は甘辛く味付けされた牛肉。
食感と味のアクセントとしても優秀で、好きな具材なのです。

博多うどんといえば、やや太めでふわっとした麺！コシはないので簡単に噛み切れるんですが、ただ茹で過ぎてダラっと伸びている状態とは違うのだよ。
個人的には、コシが強い讃岐うどんは麺と戦ってガシガシと喰らう、それに対し博多うどんはじんわりと染み渡るイメージ。なので、胃が弱っていたり二日酔いのときにも博多のうどんは優しいんです。

天ぷら単体としては何の変哲もない作り置きでしかないごぼ天が、ダシを吸ってひたひたになることで全く別のナニカに変貌。
因幡うどんの天ぷらにサクサク感などいらんのです。この天ぷら衣汁がいただければ。

博多うどんの命たるダシですが、この因幡うどんでは北海道産の羅臼昆布や五島・島原産いりこなどを使い昔の作り方を守り続けているらしい。だからこそ60年以上も愛され続けているんでしょうね。

北海道羅臼（ラウス）産天然昆布、五島・島原産煮干いりこ等天然ものの 海の幸を贅沢に使い、濃縮ダシやダシパックを使わずに昔と同じ作り方 を守り続けるまじめな「だし」と「麺」。体と心にやさしい昔ながらの日本 の健康食です。 博多うどんのだしの特徴は、昆布・鰹節の他に煮干いりこの魚種を数種 類使った複雑で独特の味わいにあります。創業５５年、ふっくらやさしい 麺と共に戦前からのレシピを絶やさず守り継ぎ現在市内に４店舗あります。
昔と同じ材料・製法を守り続ける「因幡うどん」 – ふくおか商工会WEB ※リンク切れ

なお、残しておいたかしわにぎりはダシと一緒に口の中へ投入すると幸福感が得られるのでお試しあれ。

ピーク時はセルフになり少し方式が変わるので注意

こちらの因幡うどん渡辺通店、お昼のピーク時はセルフサービスに方式が変わります。

カウンターに並んでうどんを受け取り、トッピングを入れていくチェーンの讃岐うどん店のような形。

ネギもセルフとなり卓上に常備されています。ネギスキーの私としては好都合。

この日はごぼ天こんぶうどんで。やや前日の酒が残り、食欲がそれほど無いときでも胃にやさしい。

しみしみ。

あとがき

最近ではおしゃれ目なうどん店や讃岐の要素を取り入れた店も増えてきて、それぞれに美味しくはあるのですが、個人的には今回の「因幡うどん」や「みやけうどん」のような昔ながらのお店も末永く頑張ってほしいところ。

コシ至上主義の方こそ、博多うどんを一度食べに来てみてください！