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「チェコに行く」と聞いたときから想像していた、赤い屋根の家々に彩られた美しい街並み。
それが見られたのは、オーストリアとの国境に位置する人口1万人ほどの小さな街「ミクロフ(Mikulov)」でのことでした。
このミクロフは美しくコンパクトな街で、神聖なる巡礼の丘(聖なる丘、Holy Hill)からその絶景を見下ろすことができます。まるでおとぎ話の世界のような、メルヘンチックな光景。
まだまだ観光客も少ない静かな街を見守るように建つミクロフ城や、その地下の巨大ワイン樽も見どころ。
近くには美しい城があったり、チェコ第2の都市・ブルノからも車で1時間弱ほどの距離。隣国オーストリアのウィーンからでも1時間強しかかかりません。
ワインや料理もおいしい。
観光地としてのポテンシャルの高い場所ですし、実際に目で舌で楽しめました。ここは穴場ですよ…!
ミクロフの基本情報とアクセス
まず、ミクロフの基本情報を確認しておきましょう。
▼ 人口
約8,000人
▼ 場所、アクセス
チェコ南東部、オーストリアとの国境。
車でブルノから約40分、ウィーンから約75分、プラハから約3時間
▼ 主な見どころ(◎はこの記事で紹介している場所)
◎神聖なる丘(Holy Hill)
◎ミクロフ城(Mikulov Castle)
・ユダヤ人共同墓地
・ヤギの丘
◎ディートリヒシュタイン家の墓
▼ 近隣の観光地
・レドニツェ城
・ヴァルチツェ城
・ブルノ
▼ ツアー、ホテル等のリンク
私もよく海外旅行時に利用しているサイトのうち、チェコ・ミクロフに関するツアーやホテルを予約できるものを紹介しておきます。
・航空券+ホテルのツアー、航空券orホテルのみも検索可の「エクスペディア」
・ホテル情報の充実した「Hotels.com」「Booking.com」
・プラハ発、ウィーン発でミクロフを巡る現地ツアーを予約できる「VELTRA」
⇒ VELTRAでウィーン発のミクロフ現地ツアーを探してみる
美しい街を一望できる「神聖なる丘(Holy Hill)」
現地ガイドさんの案内で、まずは石畳の坂をHoly Hill(直訳すると「聖なる丘」。「神聖なる丘」「神聖なる巡礼の丘」とも)へ上ります。街の中心部からだと約30分程度の道のり。
丘の一番上までの途上にはチェックポイント。これは祈祷所(Station of the cross)というらしく、小さなお堂に聖人の像が飾られています。
最初のチェックポイント。これを辿りながら、絶景を求めて山道を上っていきます。
山登りと言っても散歩気分で行ける程度の距離なので、そんなに気を張らなくて大丈夫。
丘に住む鳥や蝶、美しい花などを探しながら歩くのもまた一興。
少し上ったところで、早くも木の間からそれらしい景色が。一気にテンションが上がるっ…!
やや薄暗く木の生い茂ったゾーンを抜け、開けたところに出ました。
少し上ってから街の方角を見ると……おおおっ!!!
俺、チェコでこういう景色求めてたんだ…。それが今まさに目の前に。美しい。
街の東側に目をやると、スッと伸びる広めの道路。途中には関門のようなものが見えます。これはオーストリアとの国境で、この丘からはチェコ、オーストリア、スロバキアの3カ国が見渡せるとのこと。
いやー、ずっと見てられるわ。素晴らしい。
とはいえここはまだ丘の中腹。一番上にある小さな教会を目指します。
さらに歩くこと5,6分ほど。無事頂上に到着しました。(丘でも頂上って言うんだろうか)
ここからだと斜面が若干邪魔になるので、実は中腹からの方が眺めがいいかも?
でもやっぱり良い景色。
頂上にある聖セバスチャン礼拝堂。最初に建てられたのは1600年代ですが、その後一度は廃墟になってしまったところから修復を繰り返し、今の形になっているそう。
礼拝堂の横にある建物。このてっぺんについている鈴のようなもの、特別意味のあるものではないそうなのですが、中に当時の新聞を入れたりするのだとか。まるでタイムカプセルですね。
礼拝堂の奥、最後の祈祷所も訪れておきましょう。
飾られているのは聖母マリア様でしょうか?鉄格子があり中には入れませんでしたが、ここでお祈りしておきましょう。
特別信仰はないですが、すべての神様や聖人をリスペクトしていくスタイル。
天気がいい日は、ピクニックしたり走り回って遊びたくなるような丘ですね。この日はまさに絶好のピクニック日和で、日差しは強いが暑すぎず寒すぎずちょうどよい気候でした。5月、いい季節かも。
景色を堪能しながら来た道を戻ります。
プラハなどの都市も良いところですが、小さな街ならではの風情はまた違った魅力を感じます。
山がちな日本ではこんな広々とした平地と地平線を見る機会もそうそうないので、目とフィルム(実際はSDカード)に焼き付けておこう。
15-20分ほどで出発地点に帰還。街を散策しに行きます。
言うても8,000人ほど住んでいる街のはずなのですが、めちゃめちゃ静か。皆ブルノあたりの大都市に出稼ぎに行ってるのかな?
家そのものだけでなく、看板や庭に置いてあるちょっとしたものまでかわいい。
ミクロフを代々治めたディートリヒシュタイン家の墓
この全景が写らないほど巨大な建物は、教会か聖堂…?と思って聞いてみると、なんとお墓とのこと。
長い間このミクロフの地を治めていた、ディートリヒシュタイン家の人々が安置されています。
十字架に太陽がかぶっていい感じに後光がさしていたので、一枚。
小さめの礼拝所。ここを奥に抜けていくと、
棺が置かれているところに出ました。どういう順番なのかわかりませんが、廊下らしきところにズラリと並んでいたり、
部屋に安置されていたり。中には今でも遺体が入っているとのこと。マジですか。
ミクロフ城と、地下の巨大ワイン樽
ディートリヒシュタイン家の墓を出て、真正面に見えるミクロフ城に向かいます。
チェコの街中の広場でよく見かける、聖なる柱も見えますね。
城の入り口付近には、めちゃくちゃ雰囲気のいいカフェも。次来たときはここ入るんや…絶対に…!
クルッと振り向いてみる。丘の上にはさっき訪れた礼拝堂も見えます。
綺麗で、静かで、人々はゆっくり歩いたりテラスで日向ぼっこしながら話したり、のんびりしてる。
それはさておき、ミクロフ城へ。どこを切り取っても絵になる。
昔は防衛のために使われていたであろうやぐらも見えます。
城内には博物館展示、ディートリヒシュタイン家の絵画コレクション、図書館などがあるそうですが、今回は地下の巨大ワイン樽のみを見学。地下に降りていきます。
手前のベンチと比べるとわかる、この巨大さ。1600年代に造られ利用されていましたが、それからはずっと使われていないとのこと。
チェコで最大、ヨーロッパ全体でも2番目に大きい樽だそうです。直径3mくらいはありそう。どんだけ入るんや。。。
美しいミクロフの街歩きも終盤。
中には入れませんでしたが、ここがユダヤ人の教会・シナゴーグ。チェコで行く街のほとんど全てにこのシナゴーグが存在しており、チェコでのユダヤ人コミュニティの力強さを感じます。
レストラン兼ホテル「Tanzberg」へ
この日の昼食は、ミクロフの街中にある「Tanzberg(タンズベルグ)」へ。最初に行った丘が「Holy Hill」と呼ばれる前の呼び名がこの”Tanzberg”だそうです。
店内へ。
明るく広々としています。この日は街自体に人があまりいなかったこともあり、お客さんは私達とあと1組くらい。
実はミクロフはワインの有名な産地でもあるそうで、ここでは世界最強のチェコビールをさしおいて白ワインをいただきます。
これがまた風味豊かで料理にも合うんですよねー。めっちゃおいしい。
日本に輸出したりしていないのか聞いてみたんですが、生産量が少なくほとんどはこの周辺で飲み尽くしてしまうとのこと。むむ、残念。。。
ガイドさんにおすすめを聞きながら、料理の注文。英語表記はあるものの、日本人には想像しづらい料理も多い。でもそれが旅行の楽しみの1つですよね。
私が注文したのは、まずチェコ定番のヌードルと香草入りチキンスープ”GOLDENE JOICH”。
深いコンソメ味で、きっと誰でも好きな味。いくらでも飲める。
そしてメインディッシュは、ユダヤの伝統料理だという、ひき割りえん麦のチョレント。チョレントとは肉や豆、野菜を煮込んだ、ユダヤの安息日に食べる料理のこと。ここではアヒルの肉を使っているらしい。
日本では食べたことのない食感と味ですが、とてもおいしいしワインに合う。量が多いので味に飽きてしまいがちなところ、ピクルスの酸味がしっかりと締めてくれます。
これはアヒル肉とキャベツの包み焼き、プラムソース添え。サクッとした食感、ソースと具のハーモニーがグッド。
チェコ料理、贔屓目無しで日本人の舌にも合うものばかり。
この記事を書いてて気付いたんですが、ここレストランだけじゃなくホテルも兼ねてるんか!めっちゃ泊まってみたいわー。
調べてみたら、ネット予約も簡単にできるようだったのでリンクを貼っておきますね。
⇒ エクスペディアでBoutique Hotel Tanzbergをチェックしてみる
⇒ Hotels.comでチェックしてみる
⇒ Booking.comでチェックしてみる
チェコの現地ツアーを探してみる
公共交通機関の発達していないチェコで観光地を回るなら、ガイド付きの現地ツアーを利用するのが便利。
豊富なラインナップを揃えた「VELTRA」がおすすめです。
あとがき
チェコには各地に美しい街並みがあり、プラハやチェスキークルムロフなど既に多くの観光客が訪れる人気スポットもありますが、このミクロフはまだまだ観光地化がそれほどされていない静かな街。
レストランやショップなどは多くありませんが、静かにのんびりと、あるいは噛みしめるように観光や滞在を楽しみたいのであれば断然オススメです!
ただ執筆料はいただいておらず書く内容についての制約もないため、当ブログの方針によりPRタグはつけておりません。
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